女性の働き方や結婚、出産や育児にまつわる選択など、日本でも考え方が変わってきたとはいえ、「既婚」のステータスを感じることが多いものですよね。ある程度の年齢になると、「ご結婚は?」と聞かれた経験のある人もいるのではないでしょうか。古い価値観とは思いますが、男は家を建てて女は出産・子育てをして人生の妙味がわかるという考え方も根強く残っています。

参考結婚という文化が生まれた歴史と私が結婚した理由

共通するのは「結婚」が前提ということ。結婚すべきか、独身で通すかの是非は別として、「日本の既婚ステータス」について、既婚者のわたしが感じることをまとめてみました。

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「結婚はして当たり前」という固定観念

1980年代頃まで、日本はほぼ100%の人が結婚をする皆婚時代が続いてきました。結婚はして当たり前、結婚してはじめて一人前として認められるという価値観が一般的な世の中。その名残もあり、今でも年齢が高い人ほど、「結婚して当たり前」「なぜ結婚しないの?」という考えが根強いようです。

わたし自身は、独身時代、「既婚」にステータスを感じることはありませんでした。「ご結婚は?」と聞かれても「まだです」と答えるだけ。「あら、そう」という返答のもと、それ以上、その話題について話が深まることはありませんでした。「既婚」をステータスと感じるようになったのは、むしろ結婚してから。

「ご結婚は?」と聞かれ、「一応」と答えると、「あら、そう♪」と、なんだかうれしそうな返事。もちろんそのあとは、「お子さんは?」→「まだです」→「あら~。子どもはいいわよ~。」という流れ。子どもが生まれてからも余計なお世話な言葉が待っているのですが…

女性にとって「既婚であることのメリット」はあるの?

笑顔の女性たち

男性は「結婚している」ことで、出世や社会的な信用度が大きく変わってくるといいます。出世のかかる海外赴任や、大手企業の出世は、「既婚者」であることが前提になるともいわれています。一方で、女性の立場からすると「既婚」であるメリットはあるのでしょうか?

社会的信用を得やすい

男性ほどではないでしょうが、女性にも「結婚する」ことで得られる「社会的信用」はあります。

ひと昔前とは女性の生き方が変わって、「家庭を守る専業主婦」とまではいきませんが、それでも結婚していると、「家庭を守る」「仕事と家庭を両立させている」「しっかり子育てをしている」「向き合うべきパートナーがいる」「親戚付き合い、ご近所付き合いも頑張っている」といった見方が加わり、プラスの評価が得られるように感じます。

忍耐力、辛抱強さを持ち合わせていると思われる

「結婚は忍耐だ」と、よく耳にする言葉ですよね。結婚式のスピーチにも、しばしば登場するセリフです。

結婚前わたしは、「そんな大げさな…」「大好きな人なのに、辛抱なんて必要なはず」と思っていました。が、「結婚は忍耐」これ、本当です。当事者二人の間にも、しばしば我慢する場面が出てくるのですが、ここに義両親との関係や親戚付き合いが絡んでくると、「忍耐度」がグンと上がります。結婚は、二人だけのことではないと思わざるを得ない場面に、わたしも何度も出くわしました。

生涯未婚率が高くなっているとはいえ、今の日本では既婚者が大多数です。つまり、既婚者たる人は、同じような苦労や辛抱が求められる場面を経験しているということ。そういう大多数の人たちからは、既婚者というだけで「忍耐強い」というイメージが加わり、それも男女問わず「既婚」のメリットといえるのではないでしょうか。

責任感、良識がある人とみなされる

家庭を持つと、自分の実家はもちろん、義実家や親戚、ご近所付き合いの姿勢も変わってきます。お盆やお正月、冠婚葬祭もそうですし、子どもが生まれ、成長していくと、今度は保育園や幼稚園、学校というコミュニティとの関わりが出てきます。そういった場面で、大人の付き合いをしていくには良識が求められますし、子どもを一人前に育てるという責任はとても大きなものです。

結果、世間一般からは、「責任感がある」「良識がある」という社会的な評価を得られるのではないでしょうか。

既婚女性も出世する?

仕事と家庭の両立に奮闘する女性が出世をすることは、現実的に厳しいでしょうし、何よりそういう女性自身が自らの出世を望むのは珍しいパターンかもしれません。

「既婚と出世の関係」については、ほぼ男性のものと考えてよさそうです。それでも、パートナーである男性が、あなたの内助の功や、子どもたちの存在に支えられ仕事に精を出し、評価を得てくるというのは、女性として嬉しいことではないでしょうか。

良き理解者がいる

親や家族、友人とは違う理解者がいると、ひとりの人間として心強いものですよね。どんなときも最大限の信頼を寄せることができ、同時に最大限の信頼を預けてくれるパートナーの存在は、あなたをより一層成長させてくれる存在です。

そして、「守るべき子ども」がいれば、それだけで困難にも立ち向かっていくことができます。先にも述べましたが、日本では大多数の人が既婚者。そういった人からはおのずとプラスの評価が得られると思います。

人に頼って、結婚してもキャリアアップは不可能じゃない

わたしの職場は女性の未婚者が多く、仕事を精力的にこなす人が多いです。結婚・育児経験のあるスタッフは、わたしを含めて3人です。一方、上司や同僚の男性は、既婚者が多く、仕事と育児の両立に、ものすごい理解を示してくれます。

同僚は、共働きの大変さを近くで見ているので、仕事でフォローをしてくれたり、上司は上司で、子育ての相談にのってくれ、「子どもが小さい時はあっという間。今思えば、もっと子どもとの時間を持つべきだった。だから、今一緒にいられる時間を大切にした方がいい。」と言ってくれます。

出産や育児をきっかけに、女性は働き方を見直す必要も出てきます。キャリアアップしたい女性にとって、出産・育児により仕事をセーブせざるを得ない状況に地団駄を踏むこともありかもしれません。すべて自分ですることと思わず、人に頼れる部分は頼り、少しの図々しさがあると楽になれると感じています。